遺品整理はいつからはじめる?重要書類の探し方から業者選びまで完全解説!

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ご家族が亡くなられた後、悲しみに暮れる中で考えなければならないのが「遺品整理」です。

「いつから手をつけるべきなのだろうか」

「四十九日(忌明け)までは待つべき?」と、タイミングに悩む方は少なくありません。

結論から申し上げると、遺品整理を始める時期に法的な決まりはなく、必ずしも四十九日まで待つ必要はありません。

しかし、故人が賃貸物件に住んでいた場合や、相続放棄を検討している場合など、ご自身の状況によっては早めに着手すべきケースも存在します。

一方で、気持ちの整理がついていないまま無理に進めると、大切なものまで処分してしまい後悔に繋がる可能性もあります。

この記事では、「遺品整理をいつから始めるべきか」という疑問に対し、遺品整理の専門家として多角的な視点から最適なタイミングを解説します。

具体的には、以下の5つのポイントに沿って、後悔しないための遺品整理の進め方を具体的かつ分かりやすくご紹介します。

この記事ではこれらの疑問にお答えします

遺品整理は忌明け(四十九日)まで待つべき?

•相続放棄や遺産分割はどうすればいい?

•賃貸・施設退去や空き家管理など、期限がある場合は?

•業者へ依頼するタイミングと、自力で進める/業者に任せる判断基準は?

本記事の監修者

遺品整理士 : 新井 伊織 (あらい いおり)

協会認定遺品整理士(第IS27259号)・終活カウンセラーの新井伊織です。遺品整理グリーンにて、年間300件以上の生前・遺品整理のご相談を承っております。「第一の相談役」として、一人ひとりに寄り添い、サポートいたします。

目次

遺品整理は忌明け(四十九日)まで待つべき?直後に始めてもよい?

H2 遺品整理は忌明け(四十九日)まで待つべき?直後に始めてもよい?

故人の死後、遺品整理をいつから始めるかについて、多くの方が最初に直面する疑問が忌明け(四十九日)まで待つべきかという点でしょう。

古くからの慣習として耳にすることも多く、故人への配慮から四十九日を過ぎるまでは、遺品に触れてはいけないのではないかと考えるのは自然なことです。

しかし、結論から言えば、遺品整理を始める時期に法的な決まりはなく、必ずしも四十九日まで待つ必要はありません。

ご自身の状況や気持ちの整理に合わせて、最適なタイミングで始めることが最も重要です。

ここでは、なぜ四十九日が目安とされるのか、そして待つ場合と直後に始める場合のそれぞれの考え方について詳しく解説します。

なぜ「四十九日」が一つの目安とされるのか

四十九日が遺品整理の一つの区切りとして広く認識されている背景には、主に仏教の教えと、現実的な事情が関係しています。

家族が亡くなってから、四十九日までの期間を忌中と言います。

仏教の世界では、亡くなったのち七日ごとに生前の行いの裁きを受け、四十九日目に来世の判決を受けます。

現代ではその忌中から忌明けまでの期間、ご遺族は故人を偲んで喪に服す期間となっています。
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この宗教的な観点から、「故人の魂がまだ近くにいるかもしれない期間は、遺品を動かさずそっとしておくべき」という考え方が生まれ、忌明けを待ってから遺品整理を始めるという慣習が根付きました。

また、四十九日の法要では親族が一堂に会することが多いため、形見分けの相談をしたり、遺品整理を共同で進めたりするのに都合が良いという実務的な理由も、このタイミングが選ばれる大きな要因となっています。

状況別メリット・デメリット比較:待つべきか、始めるべきか

四十九日という区切りは、あくまで目安の一つです。

ご自身の状況によっては、待つことが必ずしも最善とは限りません。

以下の比較表を参考に、ご自身のケースではどのタイミングが適しているかを考えてみましょう。

タイミングメリットデメリット
四十九日後まで待つ・故人との別れを受け入れ、気持ちの整理をつける時間が持てる。

・法要で集まった親族と、形見分けや処分について相談しやすい。

・精神的に落ち着いた状態で、冷静に要・不要の判断ができる。
・賃貸物件の場合、その間の家賃が発生し続ける。

・相続手続きに必要な書類の発見が遅れる可能性がある。

・遠方の親族が法要以外で集まるのが難しい場合、作業が滞る。
葬儀直後から始める・賃貸物件や施設の退去期限が迫っている場合に、迅速に対応できる。

・葬儀で集まった親族と協力して、短期間で作業を進められる可能性がある。

・早く片付けることで、気持ちの切り替えがしやすくなる人もいる。
・精神的な負担が大きく、冷静な判断が難しい場合がある。

・大切な形見まで誤って処分してしまうリスクがある。

・親族間で「故人がかわいそう」といった感情的な対立が生まれる可能性がある。

このように、どちらの選択にも一長一短があります。

例えば、故人が持ち家で一人暮らしをされており、相続人が時間的に余裕のある場合は、無理をせず気持ちが落ち着くのを待ってから始めるのが良いでしょう。

一方で、賃貸物件の退去期限が1ヶ月後と定められているようなケースでは、悲しみを抱えながらも、葬儀後すぐにでも計画的に着手する必要があります。

最終的には、故人を思う気持ちと、現実的に対応すべき事柄のバランスを取ることが肝心です。

「四十九日までは何もしない」と決めつけるのではなく、「まずは貴重品や重要書類だけを探す」といったように、段階的に進めることも有効な方法です。

相続放棄や遺産分割と遺品整理の前後関係は?触って良い範囲は?

H2 相続放棄や遺産分割と遺品整理の前後関係は?触って良い範囲は?

遺品整理を進める上で、最も注意すべき点が相続との関係です。

特に、故人に借金がある可能性があり相続放棄を検討している場合、遺品の取り扱いを誤ると、意図せず多額の負債を背負うことになりかねません。

遺品には一切触ってはいけないという話を耳にすることもありますが、これは正確ではありません。

ここでは、相続手続きと遺品整理の正しい順序と、法的に問題のない触って良い範囲について、具体的に解説します。

相続放棄と「法定単純承認」のリスク

故人にプラスの財産よりも借金などのマイナスの財産が多い場合、相続人は家庭裁判所に申述することで相続を放棄できます。

これを相続放棄といい、相続開始を知った時から3ヶ月以内に手続きを行う必要があります。

相続放棄をすれば、初めから相続人ではなかったことになり、借金を返済する義務もなくなります。

しかし、この期間内に特定の行為をすると、相続する意思がある(単純承認した)とみなされ、後から相続放棄が認められなくなる可能性があります。

これを「法定単純承認」と呼びます。民法第921条では、以下の場合に単純承認したものとみなすと定められています。

1 相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき。

2 相続人が相続開始を知った時から三箇月以内に限定承認又は相続放棄をしなかったとき。

3 相続人が、限定承認又は相続放棄をした後であっても、相続財産の全部若しくは一部を隠匿し、私にこれを消費し、又は悪意でこれを相続財産の目録中に記載しなかったとき。

遺品整理において問題となるのが、1の「相続財産の処分」です。

価値のある遺品を売却したり、形見分けとして譲渡したりする行為がこれに該当します。

「触って良い範囲」と「危険な行為」の境界線

では、具体的にどのような行為が「処分」にあたり、どのような行為なら問題ないのでしょうか。

相続放棄を検討している場合は、以下の表を参考に、慎重に行動してください。

行為の分類具体例法的リスク
安全な行為(保存行為)・一般的な家財(衣類、生活雑貨など)の片付け、ゴミの処分 ・故人の写真や手紙の整理

・財産的価値がほとんどない物の形見分け

・相続財産の価値を維持するための保存行為(例:家の修繕)

・故人の滞納していた税金や公共料金を、相続人自身の財産から支払うこと
低 (社会通念上、財産の処分とはみなされにくい)
危険な行為(処分・消費行為)・故人の預貯金の解約、引き出し、使用

・不動産や自動車の売却、解体、名義変更

・株式、投資信託、ゴルフ会員権などの売却

・名義変更 ・絵画、骨董品、貴金属、ブランド品など高価なものを売却・譲渡すること

・故人の借金を、故人の預金から返済すること
高 (法定単純承認とみなされ、相続放棄が認められなくなる可能性が極めて高い)

重要なのは、その行為が財産の価値を変動させる処分行為に当たるかどうかです。

例えば、故人の古い衣類をゴミとして処分することは問題ありませんが、高級ブランドのコートを古着屋に売れば「処分行為」とみなされます。

判断に迷う場合は、「財産的価値があるかどうか」を一つの基準にしてください。

価値が不明なものについては、査定などもってのほかであり、むやみに触らず、弁護士や司法書士などの専門家に相談するのが賢明です。

遺産分割協議が終わるまでは「全員の共有財産」

相続放棄をしない場合でも、遺品整理の進め方には注意が必要です。

遺言書がない限り、遺品を含むすべての相続財産は、遺産分割協議が完了するまで相続人全員の共有財産となります。

つまり、特定の相続人が他の相続人の同意を得ずに、勝手に高価な遺品を持ち帰ったり、売却してしまったりすることは、後のトラブルの大きな原因となります。

特に不動産や自動車、貴金属など、価値の判断が分かれるものについては、必ず相続人全員で協議し、合意の上で取り扱いを決める必要があります。

トラブルを避けるための理想的な流れは以下の通りです。

1 遺言書の有無を確認する。

2 相続財産の全体像を把握する(その一環として、まずは貴重品や書類を探す)。

3 相続人全員で遺産分割協議を行い、誰が何を相続するかを決定する。

4 協議内容に基づき、本格的な遺品整理、形見分け、処分を進める。

遺品整理は、単なる片付けではなく、相続手続きと密接に連携する法的な行為です。

特に相続放棄や遺産分割が関わる場合は、独断で進めず、必ず相続人全員で情報を共有し、必要であれば専門家の助言を仰ぎながら、慎重に進めるようにしましょう。

賃貸・施設退去や空き家管理など、期限がある場合の最優先タスクは?

H2 賃貸・施設退去や空き家管理など、期限がある場合の最優先タスクは?

遺品整理をいつから始めるかという問題は、故人が住んでいた場所の状況によって、感傷的な側面よりもはるかに実務的な側面が強くなります。

特に、賃貸物件や高齢者施設からの退去、あるいは持ち家が空き家になる場合など、明確な「期限」が存在するケースでは、時間との勝負になります。

ここでは、状況別に最優先で取り組むべきタスクと、期限内に効率よく遺品整理を終わらせるための段取り術を解説します。

ケース別・最優先タスクとタイムリミット

期限が設定されている状況では、まず契約内容を確認し、関係各所へ連絡することが全ての始まりです。

状況ごとの具体的な初動と注意点をまとめました。

状況最優先タスクタイムリミットの目安主な注意点
賃貸物件1. 賃貸借契約書の確認 2. 管理会社・大家への連絡・解約申し入れ期限(通常1ヶ月前) ・契約更新日・死亡後も家賃は発生し続ける。
・原状回復義務の範囲を確認する。
・家賃の引き落とし口座の確認と停止。
高齢者施設・病院1. 入居・入院契約書の確認 2. 施設・病院担当者への連絡・契約書記載の退去期限(1週間~1ヶ月以内など、非常に短い場合が多い)・私物のリストを作成し、搬出計画を立てる。 ・未払いの利用料や医療費の精算が必要。
空き家になる(持ち家)1. 家の管理方針の決定 2. 火災保険の名義変更・確認・法的な退去期限はない

・固定資産税の納税義務が発生

・放置によるリスク(老朽化、防犯、特定空き家指定など)
・ライフライン(電気・ガス、水道)の契約を見直す。

・定期的な管理(換気、通水、郵便物確認)が必要。

・相続登記を早めに行う。

賃貸物件の場合:家賃発生を止めるための初動

故人が賃貸アパートやマンションに住んでいた場合、最も優先すべきは家賃の発生を一日でも早く止めることです。

死亡後も賃貸契約は自動的に終了せず、解約手続きをしない限り家賃は相続人の負担となります。

まずは賃貸借契約書を探し出し、「解約予告期間(通常1ヶ月前)」と「原状回復義務の範囲」を確認しましょう。

その上で、速やかに管理会社や大家さんに連絡し、故人の死亡を伝え、解約の意思と退去予定日を相談します。

この初動が遅れると、1ヶ月分の家賃を余計に支払うことにもなりかねません。

高齢者施設・病院の場合:短期決戦の退去準備

高齢者施設や長期入院していた病院からの退去は、多くの場合、非常に短い期間で完了させる必要があります。

契約によっては死亡後1週間以内に退去といった厳しい条項が定められていることも少なくありません。

まずは契約書を確認し、担当者と退去日を確定させることが最優先です。

居室のスペースは限られているため、遺品の量は少ないかもしれませんが、時間的な猶予がないため、葬儀などと並行して迅速に作業を進める必要があります。

空き家になる場合:放置のリスクを理解する

持ち家の場合、法的な退去期限はありませんが、放置すること自体がリスクになります。

誰も住まない家は急速に傷み、火災や倒壊、不法侵入などのリスクが高まります。

また、2015年に施行された「空家等対策の推進に関する特別措置法」により、倒壊の危険などがある「特定空き家」に指定されると、固定資産税の優遇措置が解除されたり、行政から解体を命じられたりする可能性があります。 2

まずは、その家を「売却するのか」「賃貸に出すのか」「誰かが住むのか」「当面維持するのか」という管理方針を相続人間で話し合いましょう。

そして、火災保険の名義変更や、ライフラインの契約見直し(防犯や通電火災防止のため、電気のアンペア数を最低限に落として契約を継続するなど)を早めに行うことが重要です。

期限内に終わらせるための段取り術

限られた時間の中で遺品整理を完了させるには、計画的な段取りが不可欠です。

以下の4つのステップで進めることで、効率的に作業を進めることができます。

1.計画立案と役割分担

まず、部屋数や物の量を確認し、作業にどれくらいの時間がかかりそうか現実的な計画を立てます。

一人で抱え込まず、他の相続人や親族に協力を依頼し、誰がいつ何をするのか役割分担を明確にしましょう。

遠方に住んでいる人がいる場合は、週末に集中して作業するなどのスケジュール調整が必要です。

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2.「捜索」と「処分」の同時進行

遺品整理は「仕分け」が基本ですが、期限がある場合は悠長に一つひとつを吟味している時間はありません。

「相続手続きに必要な重要書類や貴重品の捜索」を最優先タスクとし、それと並行して「明らかに不要なゴミ(生ゴミ、賞味期限切れの食品、汚れた衣類など)の処分」を同時に進めます。

これにより、作業スペースを確保し、全体の物量を効率的に減らしていくことができます。

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3.大型の不用品の先行手配

タンスや冷蔵庫、ベッドといった大型家具・家電は、処分に手間と時間がかかります。

自治体の粗大ゴミ収集は、申し込みから収集まで数週間かかることも珍しくありません。

そのため、遺品整理の初期段階で処分する大型の不用品をリストアップし、自治体への収集依頼や、不用品回収業者への見積もり依頼を先行して手配しておきましょう。

これにより、他の作業と並行して大型品の搬出準備を進められます。

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4.業者への依頼を早期に検討

「物の量が多すぎる」「期限までに到底終わりそうにない」「遠方で作業に通えない」といった場合は、無理をせず、早い段階でプロの遺品整理業者に依頼することを検討しましょう。

業者に依頼すれば、仕分けから搬出、清掃、貴重品の捜索までを短期間で一括して行ってくれます。

ただし、業者選びには相見積もりが不可欠です。優良な業者を見つけるためにも、退去期限から逆算して、余裕を持って相談を開始することが重要です

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何から着手する?重要書類・貴重品の先行回収リストは?

H2 何から着手する?重要書類・貴重品の先行回収リストは?

遺品整理をどのタイミングで始めるにせよ、まず真っ先に取り組むべきは重要書類と貴重品の捜索・確保です。

これらは相続手続きを進める上で不可欠なだけでなく、故人の財産全体を把握し、相続放棄をすべきかどうかの判断材料にもなります。

また、万が一の盗難や紛失を防ぐためにも、最優先で確保する必要があります。

感情的に辛い時期ではありますが、この作業だけは他の片付けと切り離し、意識的に「捜索」として取り組んでください。

ここでは、具体的に何を探すべきか、どこを探すべきか、そして見つけた後にどうすべきかを網羅した「先行回収リスト」を提示します。

最優先で探すべき「重要書類・貴重品」チェックリスト

以下のリストを参考に、漏れなく捜索・確保を進めてください。

見つけたものは一箇所にまとめ、他の相続人と情報を共有しましょう。

カテゴリ具体的な品目なぜ重要か?(主な用途)よくある保管場所
身分証明・印鑑関連・実印、印鑑登録カード ・銀行印 ・認印・不動産の名義変更、遺産分割協議書の作成
・預貯金の解約
・名義変更 ・各種契約の解約
・仏壇の引き出し、金庫、机の鍵付きの引き出し
・通帳と同じ場所に保管されていることが多い
・運転免許証、マイナンバーカード ・健康保険証、介護保険証 ・パスポート、年金手帳・死亡届以降の各種行政手続き(返納・資格喪失)
・携帯電話やサービスの解約時の本人確認
・財布、カードケース、普段使っているカバンの中 ・役所からの郵便物と一緒のファイル
金融資産関連・預貯金通帳、キャッシュカード ・クレジットカード、各種ポイントカード・プラスの財産の把握、残高証明書の取得
・相続財産の確定、預金の解約 ・カード会社への連絡、解約、未払い金の確認
・机の引き出し、本棚、金庫
・普段使っているカバンや財布の中
・有価証券(株券)、証券会社の取引報告書・株式や投資信託などの金融資産の把握
・証券会社への連絡、相続手続き
・郵便物(特に「特定口座年間取引報告書」など)
・書斎のファイル、金庫
・生命保険・損害保険の保険証券・保険金の請求、受取人の確認 ・契約者貸付の有無の確認・保険会社からの封筒と一緒
・重要書類をまとめたファイルやバインダー
・借入金の契約書、ローン返済予定表・マイナスの財産の把握
・相続放棄を判断する重要な材料
・金融機関からの郵便物と一緒 ・不動産関連の書類と一緒(住宅ローンの場合)
不動産関連・登記済権利証、登記識別情報通知 ・固定資産税の納税通知書・不動産の所有権の証明、相続登記(名義変更)
・不動産の評価額の把握
・金庫、鍵付きの引き出し
・司法書士や銀行からの封筒に入ったままのことも
・賃貸借契約書(貸主・借主双方) ・土地や建物の測量図・賃貸収入や家賃支払いの状況把握
・不動産の正確な範囲の確認
・ファイルキャビネット、契約書類をまとめた箱
その他・遺言書(自筆証書・公正証書)・最優先で探すべきもの。遺産分割の指定
・見つけた場合は家庭裁判所で検認が必要(公正証書遺言を除く)
・仏壇、金庫、貸金庫 ・エンディングノートと一緒
・信託銀行や弁護士に預けている可能性も
・車検証、自賠責保険証・自動車の所有者の確認、名義変更・廃車手続き・車内のダッシュボード(車検証入れ)
・公共料金の請求書・領収書・契約状況の把握、解約・名義変更手続き・郵便物が溜まっている場所、ファイル
・デジタル遺品(PC・スマホのパスワードメモ、エンディングノート)・オンライン資産(ネットバンク、SNS等)の把握
・各種サブスクリプションサービスの解約
・手帳、日記、机の引き出し
・PCやスマホの近くにあるメモ
・貴金属、宝石、骨董品、美術品・財産的価値のある動産
・相続財産として評価が必要
・金庫、鍵のかかるタンスやクローゼット
・普段は使わない箱の中

効率的な捜索のポイント:「故人の性格」をヒントに

やみくもに探すのではなく、故人の性格や生活習慣を思い出しながら捜索すると、効率が上がります。

几帳面な方だった場合

ファイルキャビネット、机の引き出し、テーマごとに分類されたファイルや封筒、金庫などを重点的に探しましょう。「重要書類」と書かれた箱やファイルが見つかる可能性が高いです。

特定の場所にまとめる習慣があった場合

仏壇の引き出しや神棚、特定のタンスの引き出しなど、故人が「大切なものをしまう場所」と決めていた場所を思い出してみましょう。

郵便物を溜めがちだった場合

机の上や棚に積まれた郵便物の山は、宝の山かもしれません。

特に銀行や証券会社、保険会社、役所からの封筒は必ず開封して中身を確認してください。

取引報告書や納税通知書など、重要な書類が見つかることがあります。

エンディングノートや日記

故人がエンディングノートや日記を書いていた場合、そこに各種パスワードや財産の保管場所に関する情報が記されている可能性があります。

手帳やノート類も見つけたら必ず中身を確認しましょう。

デジタル遺品

近年、物理的な遺品と同じくらい重要性が高まっているのがデジタル遺品です。

故人が使用していたパソコンやスマートフォンには、ネット銀行の口座、SNSアカウント、有料サービスの契約など、多くの重要な情報が眠っています。

内部リンク デジタル遺品

見つけた後の対応

重要書類や貴重品を見つけたら、以下の3つのステップを必ず実行してください。

1 一箇所に集めて安全に保管する

見つけた書類やカード類は、クリアファイルや封筒に分け、一つの箱にまとめて保管しましょう。

実印や貴金属などの貴重品は、鍵のかかる引き出しや金庫に保管します。

これにより、後の手続きがスムーズになるだけでなく、紛失や盗難のリスクを防ぎます。

2. リストを作成して記録する

何を見つけたか、簡単なリスト(目録)を作成しておくことを強くお勧めします。

「〇〇銀行の通帳」「△△生命の保険証券」といった形でメモを残しておけば、相続財産の全体像が把握しやすくなり、他の相続人への説明も容易になります。

3.他の相続人全員に情報を共有する

前述の通り、遺産は相続人全員の共有財産です。

見つけた書類や財産について、独断で手続きを進めたり、隠したりすることは絶対にあってはなりません。

必ず他の相続人全員にリストを見せ、情報を共有してください。

この透明性が、後の遺産分割協議を円滑に進め、親族間のトラブルを防ぐための鍵となります。

特に相続放棄を検討している人がいる場合は、財産の内容を正確に伝えることが極めて重要です。

業者へ依頼する判断基準

H2 業者へ依頼する判断基準

遺品整理は、ご遺族だけで行うことも可能ですが、物の量や状況によってはプロの遺品整理業者に依頼することが有効な選択肢となります。

しかし、「どのタイミングで依頼すればいいのか」「そもそも業者に頼むべきか」という判断は難しいものです。

ここでは、自力で進めるか業者に任せるかの判断基準と、業者へ依頼する場合のベストなタイミング、そして後悔しないための優良業者の選び方を解説します。

「自力で進める」か「業者に任せる」か?判断基準チェックリスト

まずは、ご自身の状況がどちらに適しているか、以下のチェックリストで客観的に判断してみましょう。

判断項目「自力で進める」が可能なケース「業者に任せる」を推奨するケース
物の量・部屋数が少なく、明らかに物が少ない(例:1R~1DK程度)
・ご遺族で数日~1週間程度で片付けられる量
・家一軒丸ごとなど、物の量が膨大
・ゴミ屋敷状態になっている
・大型の家具や家電が多い
時間的制約・持ち家で、時間に余裕がある
・相続人が複数いて、スケジュール調整が容易
・賃貸物件や施設の退去期限が迫っている
・相続税申告など、他の手続きで忙しい
物理的・精神的負担・体力に自信があり、作業が苦にならない
・気持ちの整理がついており、冷静に作業できる
・高齢であったり、体力に不安がある
・精神的に辛く、作業に手がつかない
・孤独死などで特殊清掃が必要な場合
故人の家との距離・故人の家が近隣にあり、頻繁に通うことができる・故人の家が遠方で、何度も通うことが難しい
専門的な作業の要否・処分するものが一般ゴミや粗大ゴミで収まる・骨董品や美術品など、価値の判断が難しいものがある
・買取を希望する品物が多い
・エアコンの取り外しや、仏壇の供養・処分が必要

基本的に、上記「業者に任せる」推奨ケースに2つ以上当てはまる場合は、専門業者への依頼を積極的に検討することをお勧めします。

無理に自力で進めようとすると、期限に間に合わなかったり、心身ともに疲弊してしまったり、結果的に費用や時間が余計にかかってしまうことも少なくありません。

業者へ依頼する「ベストタイミング」はいつ?

業者への依頼を決めた場合、そのベストタイミングは「できるだけ早い段階」、具体的には「遺品整理の全体像が見え、自分たちだけでは難しいと判断した直後」です。

退去期限などが決まっている場合は、そこから逆算して、少なくとも1ヶ月前には相談を開始するのが理想です。

遺品整理業者の一般的な流れは以下のようになり、依頼してすぐに作業が始まるわけではないためです。

1.問い合わせ・相談

電話やウェブサイトから状況を伝え、相談します。

2.現地訪問・見積もり

業者が実際に現場を訪れ、物の量や作業内容を確認し、詳細な見積書を作成します。(通常、複数社に依頼して相見積もりを取ります)

3.契約

見積もり内容に納得したら、正式に契約を結びます。

4.作業日の調整・決定

ご遺族と業者のスケジュールを調整し、作業日を決定します。

5.遺品整理作業の実施

当日はご遺族立ち会いのもと、仕分け、梱包、搬出、清掃などが行われます。

特に、3月~4月の引越しシーズンや、年末の大掃除シーズンは業者が繁忙期となり、予約が取りにくくなる傾向があります。

相見積もりでじっくり比較検討する時間も考慮すると、「必要かもしれない」と感じた時点で、まずは数社に連絡して相談してみる、という早めの行動が、後々の余裕につながります。

後悔しない!優良な遺品整理業者の選び方

残念ながら、遺品整理業者の中には、不当に高額な料金を請求したり、不法投棄を行ったりする悪質な業者も存在します。

大切な故人の遺品を任せる業者選びは、慎重に行わなければなりません。

以下の5つのポイントを必ず確認してください。

1必要な許認可を得ているか

家庭から出る一般廃棄物を収集・運搬するには、市町村の「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。

この許可を持たずに営業している業者は違法です。

また、遺品を買い取る場合は「古物商許可」が必要になります。必ずウェブサイトや見積書で許認可の有無を確認しましょう。

2.見積書の内容が詳細で明確か

「一式〇〇円」といった大雑把な見積もりしか出さない業者は危険です。

優良な業者は、作業内容(仕分け、梱包、搬出、清掃など)、人員、車両、処分費用といった項目ごとに詳細な内訳を記載した、透明性の高い見積書を提示します。

3.損害賠償保険に加入しているか

作業中に家屋や他の家財を傷つけてしまった場合に備え、損害賠償保険に加入しているかを確認しましょう。

保険に加入していることは、万が一の事態に誠実に対応する姿勢の表れでもあります。

4.遺品の取り扱いが丁寧で、貴重品の捜索にも協力的か

見積もり時の担当者の言動や態度も重要な判断材料です。

故人の思い出が詰まった品々を単なる「モノ」としてではなく、敬意をもって扱ってくれるか。

また、ご遺族が探している貴重品について、どのような体制で捜索してくれるのかを具体的に質問し、その回答に納得できるかを見極めましょう。

5.必ず複数の業者から相見積もりを取る

料金やサービス内容を比較するため、最低でも2~3社からは相見積もりを取ることが鉄則です。

料金の安さだけで選ばず、上記のポイントを総合的に比較し、信頼できる業者を慎重に選びましょう。

参考記事

その業者、大丈夫?遺品整理で失敗しないための資格・許可をプロが解説

遺品整理をおこなう上で資格や許可は必要ない? 結論から述べると、遺品整理業者を開業するにあたって特別な資格や許可は必要ありません。 ではなぜ遺品整理士の資格や、…

まとめ

「遺品整理をいつから始めるか」という問いに、唯一の正解はありません。故人を偲び、ご自身の気持ちの整理をつける時間を大切にしながらも、相続放棄や賃貸契約の期限といった現実的な制約も考慮し、バランスの取れた判断を下すことが重要です。

本記事で解説した5つのポイントを、ご自身の状況と照らし合わせることで、後悔のない遺品整理を進めるための道筋が見えてくるはずです。

•忌明け(四十九日)はあくまで目安。

精神的な区切りとして重要ですが、賃貸の退去期限などがあれば、待たずに始める必要があります。

•相続放棄を検討するなら、遺品の取り扱いは慎重に。

財産的価値のあるものを処分すると、相続放棄が認められなくなるリスクがあります。

•期限がある場合は、計画的な段取りが不可欠。

契約内容の確認と関係者への連絡を最優先し、必要であれば早期に業者への依頼を検討しましょう。

•何よりも先に「重要書類・貴重品」の捜索を。

これらは相続手続きの要であり、財産全体の把握、ひいては親族間のトラブル防止に繋がります。

•業者選びは慎重に。

「許認可の有無」「詳細な見積書」「相見積もり」を徹底し、信頼できるパートナーを見つけることが、心の負担を軽減する鍵となります。

遺品整理は、故人が生きてきた証と向き合う、深く、そして時に辛い作業です。

しかし、それは同時に、故人との思い出を整理し、ご遺族が新たな一歩を踏み出すための大切なプロセスでもあります。

一人で、あるいはご家族だけで抱え込まず、本記事でご紹介した知識や専門家の力を適切に活用しながら、着実に進めていってください。

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参考文献

  1. 遺品整理は四十九日前にしても大丈夫?早めに進めるメリットと注意点を解説 ↩︎
  2. [1] 国土交通省. (n.d. ). 空家等対策の推進に関する特別措置法関連情報. ↩︎