形見分けのやり方5ステップ!トラブルを避けるマナーと相続税の注意点

大切な方を亡くされた悲しみの中、多くの手続きに追われていることとお察しいたします。
その中でも「形見分け」は、故人を偲び、思い出を分かち合う心温まる儀式ですが、同時に多くの疑問や不安が伴うものでもあります。
「何から手をつければいいの?」
「誰に何を渡せばいいの?」
「後からトラブルにならない?」
「税金はかかるの?」
この記事では、そんな形見分けに関するあらゆる疑問を解消し、誰もが失敗なくスムーズに進められるよう、具体的な手順とマナーをわかりやすく解説します。
- 0.1.1. この記事でわかること
- 1. 形見分けとは?遺品整理や相続との違い
- 2. 形見分けの手順 5ステップで解説
- 2.1. □ ステップ1:遺品の整理と分類
- 2.1.1. 【やることリスト】
- 2.1.2. 【形見分け候補リスト・テンプレート】
- 2.2. □ ステップ2:配分対象者の決定
- 2.2.1. 【やることリスト】
- 2.3. □ ステップ3:配分内容の決定
- 2.3.1. 【やることリスト】
- 2.4. □ ステップ4:配分の実施
- 2.4.1. 【やることリスト】
- 2.5. □ ステップ5:配分後の手続き
- 2.5.1. 【やることリスト】
- 3. 【実例】心に残る形見分け
- 3.1. ケース1:父から子へ「受け継がれる書斎の主」
- 3.1.1. 渡した品
- 3.1.2. 背景
- 3.1.3. •ポイント
- 3.2. ケース2:母から娘へ「思い出の味と香り」
- 3.2.1. 渡した品
- 3.2.2. 背景
- 3.2.3. ポイント
- 3.3. ケース3:親友へ「共に過ごした時間の証」
- 3.3.1. 渡した品
- 3.3.2. 背景
- 3.3.3. ポイント
- 4. 形見分けを行う最適な時期
- 5. トラブル回避!知っておくべきマナーと法律知識
- 5.1. 気持ちよく受け取ってもらうための5つのマナー
- 5.1.1. 1. もらう人の気持ちを最優先に
- 5.1.2. 2. 目上の人には渡さないのが原則:
- 5.1.3. 3. 包装はしないか、ごく簡素に
- 5.1.4. 4. 「お礼は不要」と伝える
- 5.1.5. 5. 品物にまつわる思い出を添える
- 6. 【重要】形見分けと相続の法律関係
- 6.1.1. 相続放棄を考えているなら要注意!
- 6.1.2. 形見分けと税金の関係
- 7. よくあるトラブルと対策
- 8. まとめ
- 8.1. 遺品整理 グリーンにお任せください
- 8.1.1. 大阪で遺品整理を行うならグリーンがおすすめ
- 9. 参考文献
形見分けとは?遺品整理や相続との違い

まず、似た言葉との違いを理解しておきましょう。
形見分け とは、故人が生前に愛用していた品物や思い出の品を、家族、親族、そして特に親しかった友人など、故人と縁の深い人々に分ける故人を偲ぶための習慣です。
これは法的な義務ではありません。
一方で、遺品整理は、故人の残したすべての品物を整理し、必要なものと不要なものを分ける物理的な片付け作業を指します。
形見分けは、この遺品整理の過程で行われることが多くあります。
| 項目 | 形見分け | 遺品整理 | 遺産相続 |
| 目的 | 故人を偲び、思い出を分かち合う | 遺品の物理的な整理・片付け | 法定相続人が財産を引き継ぐ |
| 対象物 | 故人の愛用品、趣味の品など(金銭的価値は問わない) | 故人のすべての所有物 | 預貯金、不動産、有価証券など金銭的価値のある財産 |
| 法的義務 | なし(慣習) | なし(事実上必要) | あり(法律に基づく) |
形見分けの手順 5ステップで解説

「何から始めればいいかわからない」という方のために、形見分けをスムーズに進めるための具体的な手順を、チェックリスト付きで解説します。
□ ステップ1:遺品の整理と分類
まずは、故人の遺品全体を把握し、後々のトラブルを防ぐために相続人全員で話し合いながら進めるのが理想です。
【やることリスト】
遺言書の有無を確認する。最優先事項です。
遺品を形見分け候補、相続財産、処分するものの3つに大別する。
「形見分け候補リスト」を作成する。(下記テンプレート参照)
故人の書斎や趣味の部屋など、個人の思い入れが強い場所から始めると、形見分けの候補が見つかりやすいでしょう。
【形見分け候補リスト・テンプレート】
| 品物 | 状態・特徴 | 故人との思い出 | 希望者 |
| 万年筆 | モンブラン製、日常的に使用 | 日記を書くときにいつも使っていた | 長男 |
| 桜の絵画 | 30号、油絵 | 夫婦で旅行した先の風景 | 配偶者 |
| 釣り竿 | シマノ製、傷あり | よく一緒に釣りに行った | 友人A |
□ ステップ2:配分対象者の決定
誰に形見分けをするのかをリストアップします。遺言書に記載があれば、その意思を最優先します。
【やることリスト】
親族、友人、お世話になった方など、声をかける相手のリストを作成する。
遺言書がない場合、誰にどの程度のものを渡すか、相続人間で大まかな合意を形成する。
□ ステップ3:配分内容の決定
一方的に決めるのではなく、相手の希望を聞くことが、心からの供養に繋がります。
【やることリスト】
対象者に「形見分け候補リスト」を見せたり、電話で伝えたりして希望を聞く。
•声のかけ方の例:
「父が大切にしていた品を整理しているのですが、ご迷惑でなければ何かお受け取りいただけないでしょうか」
希望が重複した場合は、話し合い、くじ引き、ジャンケンなどで公平に決める。
誰に何を渡すか最終決定し、形見分け確定リストを作成する。
□ ステップ4:配分の実施
いよいよ形見分けの品を渡します。
故人を偲ぶ気持ちが伝わるよう、丁寧な対応を心がけましょう。
【やることリスト】
四十九日法要の前など、適切な時期に直接手渡す。
遠方の場合は、丁寧に梱包して郵送する。
•一筆箋の文例:
「生前は大変お世話になりました。ささやかですが、故人の愛用しておりました品です。お納めいただければ幸いです。」
渡す際に、品物にまつわる思い出を伝える。
こちらの記事でも解説しています。ご覧ください。
(遺品整理 四十九日前)
□ ステップ5:配分後の手続き
品物によっては法的な手続きが必要です。漏れなく行いましょう。
【やることリスト】
名義変更が必要な品物の手続きを行う。
高価な品物を受け取った場合は、相続税の申告について税理士に相談する。
| 名義変更が必要なものの例 | 手続き場所の例 |
| 自動車 | 運輸支局 |
| 不動産 | 法務局 |
| 株式 | 証券会社 |
| ゴルフ会員権 | 各ゴルフ場 |
【実例】心に残る形見分け

形見分けは、故人との関係性によって選ぶ品も変わってきます。ここでは3つの具体的な実例をご紹介します。
ケース1:父から子へ「受け継がれる書斎の主」
渡した品
・父が愛用していた万年筆と書斎の椅子
背景
厳格だった父。
書斎は子供の頃、近寄りがたい場所だった。
しかし、父が亡くなり、書斎で日記を見つけた。そこには、家族への愛情が不器用な文字で綴られていた。
その日記を書いていた万年筆と、父がいつも座っていた椅子を、長男が形見として受け継いだ。
•ポイント
故人の威厳や仕事への姿勢、そして隠された愛情を象徴する品を選ぶことで、尊敬の念とともに故人を偲ぶことができます。
ケース2:母から娘へ「思い出の味と香り」
渡した品
使い込まれた料理レシピ帳と、母の着物
背景
料理上手だった母。
その味の秘訣が詰まった手書きのレシピ帳は、何よりの宝物。
娘は母のレシピを受け継ぎ、家族に「お母さんの味」を伝え続けることを決めた。
また、七五三や成人式で母が着せてくれた着物は、母の愛情そのものだった。
ポイント
故人の愛情や、家庭の中での思い出が詰まった品は、残された家族の心を温かく繋ぎます。
ケース3:親友へ「共に過ごした時間の証」
渡した品
共通の趣味だった釣りの道具一式
背景
故人とは、週末の早朝から釣りに出かけるのが何よりの楽しみだった。
思い出の釣り場で、この竿を使い、故人を偲びながら釣りをする。
それが一番の供養になると考え、友人から遺族へ申し出た。
ポイント
共に過ごした時間を象徴する品は、血縁を超えた深い絆の証となります。
形見分けを行う最適な時期

形見分けを行う時期は、宗教によって異なりますが、遺族の気持ちが落ち着くタイミングを待つのが一般的です。
| 宗教 | 時期の目安 | 理由 |
| 仏教 | 四十九日法要の後 | 故人の魂が来世へと旅立ち、遺族の気持ちも一区切りつくため。 |
| 神道 | 五十日祭の後 | 仏教の四十九日にあたる儀式で、忌明けのタイミングとなるため。 |
| キリスト教 | 追悼ミサ・記念集会の後 | 特に決まりはないが、親族が集まるタイミングで行われることが多い。 |
トラブル回避!知っておくべきマナーと法律知識

故人を偲ぶ大切な形見分けが、思わぬトラブルに発展しないために、知っておくべきマナーや法律知識を解説します。
気持ちよく受け取ってもらうための5つのマナー
1. もらう人の気持ちを最優先に
無理に押し付けるのは禁物です。
相手が辞退を申し出たら、その気持ちを尊重しましょう。
2. 目上の人には渡さないのが原則:
故人の上司など、目上の方へ形見分けをするのは失礼にあたります。
ただし、相手から強く希望された場合は検討しても良いでしょう。
3. 包装はしないか、ごく簡素に
形見分けは贈答品ではありません。
包装はせず、そのまま手渡すのが基本です。
気になる場合は、白い半紙で包む程度にします。
4. 「お礼は不要」と伝える
受け取った側が「お返しは必要か」と悩まないよう、「お礼のお気遣いはなさらないでください」と一言添えましょう。
5. 品物にまつわる思い出を添える
「これは父が晩年、毎日使っていた万年筆です」のように、簡単なエピソードを添えることで、形見の価値がより一層深まります。
【重要】形見分けと相続の法律関係

形見分けは、相続と密接に関係しています。特に相続放棄と税金については、正しい知識が不可欠です。
相続放棄を考えているなら要注意!
故人に借金があるなどの理由で相続放棄を検討している場合、形見分けの扱いには最大限の注意が必要です。
原則として、価値のある遺品を受け取ったり、第三者に渡したりすると、財産を相続する意思があるとみなされ(単純承認)、相続放棄ができなくなる可能性があります。
写真や手紙など、客観的に見て金銭的価値のないものであれば問題ないとされていますが、判断は非常に難しいです。
相続放棄を確実に行いたい場合は、家庭裁判所での手続きが完了するまで、一切の形見分けを行わないのが最も安全です。
形見分けと税金の関係
「形見分けで税金がかかるの?」と心配される方もいますが、ほとんどの場合は課税対象になりません。
しかし、宝石、骨董品、自動車、不動産など、客観的に見て金銭的価値が高いものは「相続財産」とみなされ、相続税の課税対象となります。
相続税には「3,000万円+600万円×法定相続人の数」という基礎控除額があり、遺産総額がこの範囲内であれば相続税はかかりません 。
しかし、形見分けした高価な品を含めた遺産総額が基礎控除を超える場合は、申告が必要です。
判断に迷う場合は、必ず税理士などの専門家に相談しましょう。
よくあるトラブルと対策

最後に、形見分けで起こりがちなトラブルとその対策を、具体的なケースでご紹介します。
| トラブル例 | 原因 | 対策 |
| 1. 相続人間の争い | 「父のロレックスは長男の俺がもらうべきだ」「いいえ、私が最後まで面倒を見たのだから」と、特定の品を巡り対立。 | 事前に全員で話し合いの場を設け、希望が重複した場合は抽選にするなど、感情的にならずに済む公平なルールを最初に決めておく。 |
| 2. 故人の遺志の無視 | 遺言書に「ピアノは孫のA子に」と書いてあったのに、確認せずに長男が自分の家に運んでしまった。 | 遺品整理の前に、何よりもまず遺言書の有無を確認する。公証役場や貸金庫なども探す。遺言書がある場合は、その内容が絶対的な効力を持つ。 |
| 3. 大切な品の誤処分 | 価値があると思わずに、故人が集めていた切手コレクションを古紙回収に出してしまった。後から数百万円の価値があったと判明。 | 遺品の整理は一人で判断せず、複数の親族と一緒に行う。価値がわからないものは、専門の鑑定士や買取業者に査定を依頼する。 |
| 4. 突然の税務調査 | 1カラットのダイヤの指輪を形見分けとして受け取った。申告しなかったところ、後日、税務署から申告漏れを指摘された。 | 金銭的価値が高いと思われる品物は、事前に税理士に相談し、相続財産として適切に申告する。「これくらいなら大丈夫だろう」という自己判断は危険。 |
| 5. 親族以外との亀裂 | 故人の親友に、形見として高価な絵画を渡した。後からそのことを知った相続人から「なぜ他人に財産を渡すのか」と猛反対された。 | 親族以外に高価な品を渡す場合は、事前に相続人全員の同意を書面で得ておく。「形見分け同意書」などを作成すると、後の証拠となる。 |
形見分けは、故人との思い出を分かち合い、絆を未来へ繋ぐための最後の、そして大切な時間です。
法律やマナーも大切ですが、何よりも故人を偲び、残された人々が互いを思いやる気持ちが基本となります。
正しい知識を身につけ、関係者全員が心から納得できる、温かい形見分けを行いましょう。
まとめ
本記事では、形見分けのやり方について、具体的な5つの手順からマナー、法律・税金の知識、そしてトラブル対策までを網羅的に解説しました 。
最後に、円満な形見分けを行うために最も大切なポイントを3つにまとめます。
1.故人の意思を尊重する
何よりもまず遺言書の有無を確認し、故人が誰に何を渡したかったのか、その想いを最優先しましょう。
2.関係者と十分に話し合う
相続人同士で事前にしっかりとコミュニケーションを取り、誰に何を渡すか、公平な方法で決めることがトラブル回避の鍵です。
3.受け取る相手の気持ちを思いやる
形見分けは、物を押し付けることではありません。
相手の希望を尊重し、気持ちよく受け取ってもらえるような配慮を忘れないようにしましょう。
形見分けは、法的な義務や手続きである前に、故人との思い出を分かち合い、残された人々の心をつなぐための、とても人間らしい、温かい儀式です。
この記事で得た知識を元に、ぜひ故人との最後の対話ともいえる時間を、大切に進めてください。
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