【完全ガイド】孤独死の遺品整理|流れ・費用・注意点を専門家が徹底解説

近年、単身世帯の増加に伴い、誰にも看取られることなく亡くなる「孤独死」が社会問題となっています。
もし、ご家族やご親族が孤独死された場合、突然の出来事に動揺し、何から手をつければ良いのか分からなくなってしまう方も少なくないでしょう。
この記事では孤独死が発生してしまった時の動き方について専門家が詳しく解説します。
- 0.1.1. この記事でわかること
- 1. 孤独死の遺品整理は誰が行うべき?
- 1.1. 相続人に課せられる遺品整理の義務
- 1.2. 相続放棄という選択肢
- 1.3. 相続放棄の注意点
- 1.4. 身寄りのない方の場合はどうなる?
- 2. 孤独死の場合の遺品整理の流れ
- 2.1. STEP1:警察の現場検証と入室許可
- 2.2. STEP2:特殊清掃業者への依頼と実施
- 2.3. STEP3:遺品整理の実施
- 2.4. STEP4:形見分けと売却・処分
- 3. 孤独死の遺品整理の注意点
- 3.1. 特殊清掃が完了するまで立ち入らない
- 3.2. 勝手に窓を開けて換気しない
- 3.3. 防護装備を必ず着用する
- 3.4. 残す遺品は清潔な状態にする
- 4. 孤独死の遺品整理にかかる費用
- 4.1. 費用相場
- 4.2. 費用を抑えるコツ
- 5. 孤独死の遺品整理は業者に依頼すべき理由
- 5.1. 1. 専門的な特殊清掃が必要不可欠
- 5.2. 2. 健康リスクと感染症の回避
- 5.3. 3. 精神的・時間的負担の軽減
- 6. まとめ
- 6.1. 遺品整理 グリーンにお任せください
- 6.1.1. 大阪で遺品整理を行うならグリーンがおすすめ
孤独死の遺品整理は誰が行うべき?

親族が孤独死した場合、まず直面するのが誰が遺品整理を行うのかという問題です。
法的な義務と責任の所在を正しく理解することが、トラブルを避ける第一歩となります。
相続人に課せられる遺品整理の義務
結論から言うと、孤独死した人の遺品整理を行う義務は、その人の相続人にあります。
故人が所有していた遺品は法的に遺産として扱われ、その所有権は相続人に引き継がれます。
それに伴い、遺産を管理・処分する責任も相続人が負うことになるのです。
特例として、故人が遺言書を残している場合は、その中で指定された人が相続人となります。
しかし、遺言書がない場合は、民法で定められた法定相続人がその義務を負います。
法定相続人には優先順位があり、常に配偶者が第一順位となります。配偶者以外の順位は以下の通りです。
| 順位 | 対象者 | 備考 |
| 第1順位 | 子供 | 子供が既に亡くなっている場合は孫 |
| 第2順位 | 父母 | 父母が既に亡くなっている場合は祖父母 |
| 第3順位 | 兄弟姉妹 | 兄弟姉妹が既に亡くなっている場合はその子供(甥・姪) |
相続放棄という選択肢
故人に多額の借金がある場合や、疎遠で関わりたくないといった事情がある場合、相続放棄という選択肢も考えられます。
相続放棄を行うと、プラスの財産(預貯金や不動産)もマイナスの財産(借金)も一切相続しないことになり、遺品整理の義務からも解放されます。
ただし、相続放棄には以下の重要な注意点があります。
相続放棄の注意点
1. 期限がある
相続の開始を知った時から3ヶ月以内に家庭裁判所への申立てが必要です。
2. 遺品に触れない
相続放棄を検討している場合、原則として遺品に手をつけてはいけません。
価値のある遺品を処分したり売却したりすると、相続の意思があるとみなされ、相続放棄が認められなくなる可能性があります。
くわしくはこちらの記事をご覧ください。
遺品整理と相続関係|遺品整理を行う前に確認しておくべきことをプロが解説
身寄りのない方の場合はどうなる?
故人に身寄りがなく、相続人が一人もいない、あるいは全員が相続放棄をした場合、賃貸物件の大家さんや管理会社などが家庭裁判所に申し立てを行い、相続財産清算人が選任されます。
相続財産清算人は、弁護士などの専門家が選ばれ、故人の財産を調査・管理し、債権者への支払いや遺品の処分などを行った後、残った財産を国庫に納めます。
孤独死の場合の遺品整理の流れ

孤独死の遺品整理は、精神的にも肉体的にも過酷な作業です。
一般的な遺品整理とは異なり、特殊な手順を踏む必要があります。
警察の捜査が完了し、部屋への立ち入り許可が出てからの流れを具体的に解説します。
STEP1:警察の現場検証と入室許可
孤独死が発見されると、まず警察による現場検証が行われます。
事件性の有無を確認するため、許可なく室内に入ることはできません。
検証が終わり、事件性がないと判断されると、警察から入室許可が出ます。
この許可を得て、初めて遺品整理の準備を開始できます。
STEP2:特殊清掃業者への依頼と実施
孤独死の現場で最も優先すべきは特殊清掃です。
発見までに時間が経過している場合、遺体の腐敗による体液の漏出や強烈な腐敗臭、害虫の発生など、室内は劣悪な衛生状態になっています。
このような環境に防護服なしで立ち入ることは、感染症のリスクなど健康被害に直結するため非常に危険です。
まずは特殊清掃と遺品整理の両方に対応できる専門業者に連絡し、見積もりを依頼しましょう。
業者は専用の薬剤や機材を用いて、汚染物の除去、消毒、消臭作業を行います。
この初期対応が、後の作業の安全性と近隣への影響を左右します。
STEP3:遺品整理の実施
特殊清掃によって安全な環境が確保された後、本格的な遺品整理を開始します。
業者と相談しながら、遺品を「残すもの(形見)」「売却するもの」「処分するもの」に仕分けていきます。
孤独死の現場では、残念ながら多くの遺品が汚染により処分対象となるのが現実です。
特に布製品や紙類は臭いや体液を吸収しやすく、再利用が難しい場合があります。
貴重品や思い出の品が見つかった場合は、汚損の状態をよく確認し、必要であれば専門のクリーニングを検討しましょう。
STEP4:形見分けと売却・処分
仕分けた遺品のうち、手元に残すものは親族で形見分けをします。
売却可能な骨董品や家電などが見つかった場合は、遺品整理業者が買取サービスを提供していることもあります。
買取金額を清掃費用に充当することで、負担を軽減できる可能性があります。
処分するものは、自治体のルールに従って適切に廃棄します。
大型の家具や家電が多い場合は、業者に一括して処分を依頼するのが効率的です。
孤独死の遺品整理の注意点

孤独死の現場は、通常の環境とは大きく異なります。
安全を確保し、近隣トラブルを防ぐために、特に注意すべき点を解説します。
特殊清掃が完了するまで立ち入らない
前述の通り、特殊清掃前の室内は極めて危険な状態です。
目に見えない細菌やウイルスが浮遊している可能性があり、強烈な臭気は精神的にも大きなダメージを与えます。
ご自身の心身の安全を守るためにも、専門業者による清掃が完了し、安全が確認されるまでは絶対に立ち入らないでください。
勝手に窓を開けて換気しない
部屋に充満した腐敗臭をなんとかしたい一心で、窓やドアを開けて換気したくなるかもしれません。
しかし、これは近隣に悪臭を拡散させ、深刻なトラブルに発展する原因となります。
換気や消臭は、専門業者が専用の機材(オゾン脱臭機など)を用いて行う必要があります。
自己判断での換気は絶対に避けましょう。
防護装備を必ず着用する
特殊清掃後であっても、遺品整理の際にはマスク、手袋、ゴーグル、汚れても良い長袖・長ズボンの着用を徹底してください。
微細な汚染物質が残っている可能性も否定できません。
特に、アレルギー体質の方や呼吸器系に不安のある方は注意が必要です。
残す遺品は清潔な状態にする
手元に残す遺品や形見分けする品物は、除菌スプレーで拭き上げるなど、清潔な状態にしてから保管・譲渡するのがマナーです。
見た目は綺麗でも、臭いや細菌が付着している可能性があります。
相手に気持ちよく受け取ってもらうためにも、丁寧なケアを心がけましょう。
孤独死の遺品整理にかかる費用

遺品整理と特殊清掃には、決して安くない費用がかかります。
事前に費用の目安を把握し、準備しておくことが大切です。
費用相場
費用は、部屋の間取り、遺品の量、汚染の度合い、作業員の人数などによって大きく変動します。
以下はあくまで一般的な目安です。
| 間取り | 遺品整理費用 | 特殊清掃費用 | 合計費用の目安 |
| 1R・1K | 3万円~8万円 | 5万円~20万円 | 8万円~28万円 |
| 1DK・2K | 6万円~12万円 | 10万円~30万円 | 16万円~42万円 |
| 2DK・3K | 10万円~20万円 | 15万円~50万円 | 25万円~70万円 |
| 3DK~ | 18万円~ | 20万円~ | 38万円~ |
※上記は目安であり、現場の状況によって費用は大きく異なります。
詳しくはこちらの記事もご覧ください。
遺品整理の費用相場はいくら?間取り別の料金と費用を抑える5つのコツをプロが解説
費用を抑えるコツ
複数の業者から見積もりを取り、料金とサービス内容を比較検討することが重要です。
不当に高額な請求をする悪徳業者を避けるためにも、相見積もりは必須です。
価値のある遺品を買い取ってもらうことで、費用を抑えれる場合もあります。
遺品整理と買取を同時に行う業者に依頼すると手間が省けます。
特殊清掃が完了した後、処分するものが明確な場合、自分で分別・梱包しておくことで作業時間を短縮し、人件費を抑えられる可能性があります。
孤独死の遺品整理は業者に依頼すべき理由

費用の問題から自力での対応を考える方もいるかもしれませんが、孤独死の現場においては、専門業者に依頼することを強く推奨します。
その理由は以下の通りです。
1. 専門的な特殊清掃が必要不可欠
市販の消臭剤や洗剤では、腐敗による汚染や臭いを完全に取り除くことは不可能です。
専門業者は、血液や体液などの汚染物を安全に除去し、オゾン脱臭機などの専用機材で臭いの元を分解するなど、科学的な根拠に基づいた作業を行います。
この専門性こそが、部屋を原状回復させることにつながります。
2. 健康リスクと感染症の回避
孤独死の現場には、目に見えない無数の細菌やウイルス、カビの胞子などが存在します。
これらは、破傷風、B型・C型肝炎、HIVなど、様々な感染症の原因となる可能性があります。
専門業者は、適切な防護服と知識でこれらのリスクを管理し、安全に作業を進めることができます。
3. 精神的・時間的負担の軽減
近しい人を亡くした悲しみの中で、凄惨な現場を目の当たりにし、遺品を整理することは、精神的に計り知れない負担となります。
また、仕事や家庭がある中で、遺品整理に多くの時間を割くことは現実的ではありません。
業者に依頼することで、これらの負担を大幅に軽減し、故人を偲ぶ時間に充てることができます。
まとめ
孤独死の遺品整理は、突然の悲しみの中で行わなければならない、精神的にも肉体的にも過酷な作業です。
しかし、正しい知識と手順で臨めば、故人の尊厳を守り、ご自身の負担を軽減しながら乗り越えることができます。
本記事で解説したポイントをまとめます。
義務は相続人にあるが、相続放棄も可能です。
流れは「警察の許可 → 特殊清掃 → 遺品整理」が鉄則です。
自己判断での入室や換気は絶対に避けてください。
費用は高額になる可能性があるため、相見積もりで比較検討することが重要です。
安全と精神的負担の軽減のため、専門業者への依頼を強く推奨します。
何よりも大切なのは、一人で抱え込まないことです。信頼できる遺品整理業者や、必要であれば法律の専門家に相談し、サポートを受けながら、一歩ずつ進めていきましょう。
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