【後悔する前に】遺品整理の放置は危険!7つのリスクと解決策をプロが解説

大切なご家族を亡くされた後、深い悲しみや慌ただしい手続きの中で、故人の遺品整理になかなか手がつけられない、という方は少なくありません。
「故人のものを処分するのは忍びない」「どこから手をつければいいのか分からない」「仕事が忙しくて時間がない」
遺品整理が後回しになってしまう理由は、人それぞれです。
しかし、遺品整理を先延ばしにすることは、単に家が片付かないという問題だけでは済みません。
時間と共に、経済的、物理的、そして精神的にも、あなたとご家族の生活に深刻な影響を及ぼす可能性があるのです。
この記事では、遺品整理の専門家として、遺品を放置することで生じる7つの具体的なリスクと、後悔しないための具体的な進め方やタイミングについて解説します。
この記事を読めば、漠然とした不安が解消され、新たな一歩を踏み出すための道筋が見えるはずです。
- 1. 遺品整理を放置することで起こる7つの深刻なリスク
- 1.1. 【経済的リスク】想定外の出費が重なり続ける
- 1.2. 【物理的リスク】家屋の劣化と周辺環境への悪影響
- 1.3. 【防災・防犯上のリスク】犯罪や災害の温床になる
- 1.4. 【法律・税金のリスク】手続きの遅延が招くペナルティ
- 1.5. 【親族間のトラブル】大切な家族との関係に亀裂が走る
- 1.6. 【精神的リスク】心の整理がつかず、新たな一歩が踏み出せない
- 1.7. 【機会損失のリスク】価値あるものを見逃す
- 2. いつから始めるべき?遺品整理の最適なタイミング
- 2.1. 【法要のタイミング】親族が集まる機会を活用
- 2.2. 【物件の事情に応じたタイミング】
- 2.3. 【法的な期限】
- 3. 誰がやる?どう進める?遺品整理の具体的な進め方
- 3.1. 【主に行う人】相続人と親族の役割分担
- 3.2. 【自分たちで進める場合の手順】
- 3.3. 【難しい場合は専門業者への依頼も検討】
- 4. まとめ
- 4.1. 遺品整理 グリーンにお任せください
- 5. 参考文献
遺品整理を放置することで起こる7つの深刻なリスク

遺品整理を放置することは、単に家が片付かないという問題だけではありません。
経済的、物理的、そして精神的にも、あなたの生活に大きな影響を及ぼす可能性があります。
ここでは、放置することで生じる7つの具体的なリスクを詳しく解説します。
【経済的リスク】想定外の出費が重なり続ける
最も直接的なリスクが経済的な負担です。
故人が亡くなっても全ての支払いが自動的に止まるわけではなく、放置するほど不要な出費が増え続けます。
•不要な家賃や管理費、光熱費の支払い
故人が賃貸物件にお住まいだった場合、解約手続きをしない限り家賃は発生し続けます。
たとえ誰も住んでいなくても、契約が継続している以上、支払い義務は相続人に引き継がれます。
持ち家の場合でも、マンションであれば管理費や修繕積立金、駐車場代などが毎月引き落とされ続けます。
また、電気、ガス、水道といったライフラインも、解約しなければ基本料金がかかり続けます。
•固定資産税の増額(特定空き家への指定)
持ち家を放置する上で最も注意すべきなのが、「特定空き家」への指定です。
適切な管理が行われず、防災、衛生、景観などの面で周辺の生活環境に悪影響を及ぼすと判断された空き家は、自治体によって「特定空き家」に指定される可能性があります 。1
指定されると、住宅用地の特例措置が適用されなくなり、固定資産税が最大で6倍に跳ね上がることがあります。
年間10万円だった固定資産税が60万円になる、という事態も起こり得るのです。
•故人が契約していたサービスの継続支払い
現代では、新聞や雑誌の定期購読、ウォーターサーバー、動画配信サービスや音楽のサブスクリプションなど、様々な月額サービスが存在します。
これらはクレジットカードでの自動引き落としになっているケースが多く、遺族が気づかないまま何ヶ月も、場合によっては何年も支払いが続いていた、という事例は後を絶ちません。
必ず、故人のクレジットカードに紐づけられている支払いを確認しましょう。
【物理的リスク】家屋の劣化と周辺環境への悪影響
人が住まなくなった家は驚くほど速く劣化し、資産価値の低下や近隣トラブルに直結します。
建物の急速な老朽化と倒壊の危険性
定期的な換気が行われない家は、湿気がこもり、壁や床、畳にカビが大量発生します。
湿気は木材を腐らせ、シロアリなどの害虫を呼び寄せ、建物の耐久性を著しく低下させます。
雨漏りや窓の破損を放置すれば、構造躯体へのダメージはさらに深刻化し、台風や地震などの自然災害時に倒壊する危険性も高まります。
害虫・悪臭の発生と衛生環境の悪化
冷蔵庫に残された食料品や、生ゴミが放置されていると、腐敗して強烈な悪臭を放ちます。
その臭いに誘われて、ゴキブリやハエ、ネズミなどの害虫・害獣が繁殖し、不衛生な環境となります。
これらの害虫や悪臭が隣家にまで及べば、近隣からの苦情は避けられません。
庭の荒廃による景観の悪化と近隣トラブル
庭の雑草はあっという間に伸び放題になり、景観を損ないます。
伸びた庭木が隣家の敷地や公道にはみ出したり、落ち葉が隣家の雨樋を詰まらせたりと、直接的な被害をもたらすこともあります。
また、蜂が巣を作るなど、周辺住民の安全を脅かす事態にも発展しかねません。
【防災・防犯上のリスク】犯罪や災害の温床になる
管理されていない空き家は犯罪の温床となり、災害時のリスクも高まります。
不法侵入や不法投棄のターゲットになる
人の出入りがないことが明らかな家は、不審者の侵入を容易にします。
ホームレスの寝床にされたり、犯罪グループのアジトとして利用されたりする危険性があります。
また、「誰も見ていないだろう」という心理から、粗大ゴミや産業廃棄物の不法投棄場所にされるケースも少なくありません。
放火や火災のリスク(トラッキング現象など)
空き家は放火のターゲットにされやすい傾向にあります。
また、誰もいないからと油断してコンセントを挿したままにしていると、プラグとコンセントの間に溜まったホコリが湿気を帯びて発火する「トラッキング現象」が起こる可能性があります。
家の中に物が散乱している状態だと、一度火がつくと一気に燃え広がり、隣家を巻き込む大火災につながる恐れがあります。
【法律・税金のリスク】手続きの遅延が招くペナルティ
遺品整理の遅れは、相続という法律行為にも影響し、期限のある手続きを逃すと不利益を被ることがあります。
相続手続きが進まず、相続放棄の期限を過ぎてしまう
故人に借金などのマイナスの財産があった場合、相続人は「相続放棄」という選択ができます。
しかし、相続放棄ができるのは、原則として「自己のために相続の開始があったことを知った時から3ヶ月以内」です 。2
遺品整理をしないと、借金の存在に気づくのが遅れ、この期間を過ぎてしまう可能性があります。
期限を過ぎると、故人の借金を全て背負うことになりかねません。
相続税の申告漏れによる延滞税や加算税の発生
相続税の申告と納税は、「被相続人が死亡したことを知った日の翌日から10か月以内」に行う必要があります 。3
遺品の中に価値のある骨董品や有価証券などが隠れていることに気づかず、申告から漏れてしまうと、後から税務調査で指摘され、本来の税金に加えて「過少申告加算税」や「延滞税」といったペナルティが課せられます。
【親族間のトラブル】大切な家族との関係に亀裂が走る
物理的な問題以上に厄介なのが、親族間のトラブルです。遺品整理は、一歩間違えれば深刻な対立の火種となります。
遺産の分配を巡る意見の対立
遺品整理が進まないと、財産の全体像が把握できず、遺産分割の話し合いを始めることすらできません。
「誰が何をもらうのか」という話し合いができないまま時間が過ぎると、親族間でお互いへの不信感が募ります。
また、誰かが勝手に価値のありそうなものを持ち出してしまい、後から「形見分けだ」「いや、窃盗だ」といった泥沼の争いに発展することもあります。
誰が整理を行うかの負担の押し付け合い
「長男だからやるべきだ」「実家の近くに住んでいるのだから当然だ」といったように、遺品整理の負担を誰か一人に押し付けようとすると、トラブルの原因になります。
特に、兄弟姉妹間で実家からの距離や経済状況、家庭の事情が異なると、「不公平だ」という感情が生まれやすくなります。
【精神的リスク】心の整理がつかず、新たな一歩が踏み出せない
目に見えるリスクだけでなく、遺品整理の放置は残された家族の心にも重くのしかかります。
故人への罪悪感や喪失感が長引く
片付かない家を見るたびに、「故人に申し訳ない」という罪悪感に苛まれたり、故人の死を改めて突きつけられて悲しみがぶり返したりします。
遺品整理は、故人の死と向き合い、気持ちに区切りをつけるための重要な取り組み(グリーフワーク)でもあります。
これを先延ばしにすることで、心の回復が遅れてしまうことがあります。
片付かない家が精神的な負担となり、日常生活に支障をきたす
「いつかはやらなければ」という思いが常に頭の片隅にある状態は、大きな精神的ストレスとなります。
このストレスが原因で、仕事に集中できなかったり、不眠になったりと、日常生活に支障をきたすことも少なくありません。
【機会損失のリスク】価値あるものを見逃す
遺品整理を放置し、慌てて処分すると、故人が残した大切なものを見逃すリスクがあります。
現金、有価証券、貴金属などの資産の紛失
故人によっては、タンス預金や、へそくりを意外な場所に隠していることがあります。
また、価値がないと思っていた掛け軸や壺が、実は高価な骨董品だったというケースもあります。
時間をかけて丁寧に整理しないと、これらの価値ある資産を誤ってゴミとして処分してしまう可能性があります。
遺言書や思い出の品など、故人の大切な想いの見逃し
法的な効力を持つ遺言書が、本棚の本に挟まっていたり、引き出しの奥にしまわれていたりすることがあります。
これを見つけられないまま遺産分割を進めてしまうと、後で大きなトラブルになります。
また、家族への感謝を綴った手紙や、エンディングノート、大切な写真など、お金には代えられない故人の想いが詰まった品々を見つける機会も失われてしまいます。
いつから始めるべき?遺品整理の最適なタイミング

遺品整理を始める時期に法的な決まりはありませんが、先延ばしはリスクを高めます。
ここでは、多くの人が区切りとするタイミングや、状況に応じた開始時期の目安を解説します。
【法要のタイミング】親族が集まる機会を活用
親族が一同に会する法要は、遺品整理について話し合ったり、実際に作業を始めたりする絶好の機会です。
四十九日前
仏教では、故人の魂が旅立つ日とされ、一つの大きな区切りです。
葬儀後の慌ただしさが少し落ち着き、親族も集まりやすいため、今後のスケジュールや役割分担を話し合うのに適しています。
(被リンク 遺品整理 四十九日前)
一周忌・三回忌
故人の死から時間が経ち、少しずつ心の整理がついてくる時期です。
形見分けなど、具体的な作業を進めやすいタイミングと言えるでしょう。
【物件の事情に応じたタイミング】
故人が住んでいた家の状況によっても、始めるべきタイミングは変わります。
•賃貸物件の場合
最も緊急性が高いケースです。退去日が決まっているため、それまでに家を空っぽにする必要があります。
通常、死亡から1〜2ヶ月以内に退去手続きを求められることが多いため、すぐにでも取り掛かる必要があります。
•持ち家の場合
前述の「特定空き家」のリスクを避けるためにも、1年以内には何らかのアクションを起こすのが望ましいでしょう。
放置期間が長引くほど、建物の劣化も進んでしまいます。
【法的な期限】
税金や相続の手続きには、明確な期限が設けられています。
これらの期限から逆算して、遺品整理のスケジュールを立てることも重要です。
相続税の申告期限
死亡を知った日の翌日から10ヶ月以内です。
財産の全容を把握するためには、遺品整理が不可欠です。
遅くとも、期限の3〜4ヶ月前には整理を終えておきたいところです。
相続放棄の申述期限
死亡を知った時から3ヶ月以内です。
故人に借金がある可能性がある場合は、この期限内に財産調査を終える必要があるため、急いで遺品整理を行う必要があります。
誰がやる?どう進める?遺品整理の具体的な進め方

膨大な遺品を前に、何から手をつければ良いのか分からない方も多いでしょう。
ここでは、遺品整理をスムーズに進めるための具体的な手順と、主体となるべき人について解説します。
【主に行う人】相続人と親族の役割分担
遺品整理は、法的には財産を相続する相続人が行うのが一般的です。
しかし、相続人だけで全ての作業を抱え込む必要はありません。
むしろ、親族間で協力し、役割を分担することが、トラブルを防ぎ、スムーズに進めるための鍵となります。
まず、相続人全員で話し合いの場を持ち、「誰が中心となって進めるか(リーダーを決める)」「遠方の人は何ができるか(費用の負担、情報収集など)」「作業日はいつにするか」といった役割分担とスケジュールを明確にしましょう。
この時、故人の遺志を尊重することを全員で確認し、特定の品物を誰が引き取るかといった希望も共有しておくと、後のトラブルを防げます。
【自分たちで進める場合の手順】
自分たちで遺品整理を行う場合は、計画的に進めることが大切です。
以下の5つのステップで進めていきましょう。
- 1.スケジュールと役割分担を決める
- まずは具体的な作業日を複数設定し、その日に誰が何をするのかを決めます。
「1日目は貴重品探しと書類の整理」「2日目は衣類の仕分け」など、日ごとに目標を立てると効率的です。
- 2.貴重品や重要書類を探す
- 何よりも先に、失くしてはならないものを探します。
預金通帳、印鑑、年金手帳、保険証券、不動産の権利証、有価証券、そして遺言書などです。
これらは相続手続きに必須のものです。見つけたら、一箇所にまとめて厳重に保管しましょう。
- 3.「残すもの」「売るもの」「捨てるもの」に仕分ける
- 全ての遺品を、大きく3つのカテゴリーに分類していきます。
段ボール箱などに「形見・残す」「買取・売却」「処分」と書いて、どんどん仕分けていきましょう。
この時、「迷うもの」という箱も用意しておくと、作業がスムーズに進みます。
判断に迷うものは一旦そこに入れ、後日改めて冷静に判断しましょう。
- 4.価値のあるものは買取業者に依頼
- 家具、家電、骨董品、貴金属、ブランド品、着物など、価値がありそうなものは、専門の買取業者に査定を依頼します。
複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」をすることで、より高く買い取ってもらえる可能性が高まります。
- 5.不用品の処分と清掃
- 仕分けた不用品は、自治体のルールに従って処分します。
粗大ゴミは、事前に申し込みが必要な場合がほとんどです。
全てのものを運び出したら、最後に家全体を清掃して完了です。
【難しい場合は専門業者への依頼も検討】
「時間がない」「人手が足りない」「実家が遠い」「物の量が多すぎて手に負えない」といった場合は、無理をせず専門の遺品整理業者に依頼するのも賢明な選択です。
業者に依頼するメリット
最大のメリットは、時間と労力を大幅に削減できることです。
仕分けから不用品の処分、清掃までを数日で完了してくれます。
また、遺品の扱いに慣れているため、貴重品の見落としが少ない、買取のネットワークを持っている、精神的な負担が軽くなるといった利点もあります。
優良な業者の選び方
残念ながら、中には法外な料金を請求する悪質な業者も存在します。
業者を選ぶ際は、
①複数の業者から見積もりを取る
②見積書の内容が明確か(追加料金の有無などを確認)
③遺品整理士認定協会などの資格を持ったスタッフがいるか
④一般廃棄物収集運搬業の許可を持っているか
といった点を確認しておきましょう。
(遺品整理 業者 選び方)
まとめ
遺品整理の放置は、経済的、物理的、精神的なリスクを伴います。
しかし、それは単なる「片付け」ではなく、故人との最後の対話であり、残された家族が新たな一歩を踏み出すための重要なプロセスです。
大切なのは、完璧を目指さず「今できることから始める」ことです。
一人で抱え込まず、家族や専門家に相談しながら、故人の想いを大切に進めてください。この記事が、あなたの第一歩を後押しできれば幸いです。
「遺品整理 グリーン」では、遺品整理士の資格を持つスタッフが、丁寧にヒアリングを行い、お客様の要望に沿った提案をさせていただきます。
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